進化した「水中スクーター」最新型5機種を比較

水中スクーターとは

水中スクーターを使ってダイビングしているダイバー
Photo by YAMAHA

水中スクーターとは、主にスキューバダイビングやシュノーケリングでも使われる、グリップに取り付けられたON/OFFのスイッチ一つでプロペラの駆動を操作し、容易に水中で推進力を得る事ができるギアです。

ダイバーやスノーケラーがフィンキックをしなくても長距離を移動する事ができるようになるので、エアの消費量を大きく減らせ、行動範囲も広くなります。

海以外にプールなどでも使えるので、アクロバットに遊泳したりする事ができ、これまでにない楽しみ方が可能となります。

また、免許などの類も一切必要ありません。

軽量化・小型化された水中スクーター

underwater scooter old type

一昔前の水中スクーターは、一部のダイビングショップが数機所有している程度で、目にすることも少なかったものです。
大きくて重く 置き場に困る上、充電に時間が掛かる、駆動時間はせいぜいダイビング1本分程度、手入れも面倒、意外と壊れやすい(水没など)、そして何より高価な代物でした。

現在では、未だ高価とはいえ個人でも十分購入できる価格になり、軽量化・小型化もされ、スタイリッシュなデザインの物も発売されています。

今回は最新型の水中スクーターのスペックや価格を メーカー・機種別に比べてみました。

YAMAHA

言わずと知れた日本の老舗エンジニアメーカー。
様々な分野でその名前を聞きますが、バイクとマリン部門では日本でもトップクラスの技術を持っています。

RDS250

underwater scooter yamaha RDS250
Photo by YAMAHA

水深30mまで耐久設計の”RDS250″は、夢のダイビングを可能にする機能と推進力を備えています。一人でも持ち運びが可能なサイズで、ビーチダイビングでも大活躍する”「小柄なビッグパフォーマー」と呼ぶに相応しい水中スクーターです。

  • 最大速度 2.5 mph / 4 km/h まで
  • 水深 100 ft / 30 m まで
  • 通常使用時 2時間 走行可能
  • 長さ×幅×高さ 38.5 x 31.2 x 61.2 cm
  • 重量 18 lbs / 8.2 kg (バッテリー搭載時)
  • GoPro マウント付き (GoProカメラは別売)

RDS300

underwater scooter yamaha RDS300
Photo by YAMAHA

あなたのダイビングを新たなレベルに押し上げる”RDS300″は、厳しい環境にも耐える強化ノーズコーンを備えます。 時速4.8kmを誇る推進力はダイビング範囲を広げ、より充実した水中エクスペリエンスを提供します。

  • 最大速度 3 mph / 4.8 km/h まで
  • 水深 100 ft / 30 m まで
  • 通常使用時 1.5時間 走行可能
  • 長さ×幅×高さ 38.5 x 31.2 x 61.2 cm
  • 重量 18 lbs / 8.2 kg (バッテリー搭載時)
  • GoPro マウント付き (GoProカメラは別売)

大手の水中スクーターという事で、取扱店も多く、購入後のメンテナンス・修理・部品交換・保障というところでは信用できます
また大容量バッテリーで使用時間が長いというのも、さすがYAMAHAと言わざるを得ません。
ただ、従来より小型化しているとはいえ、やはり大きさと重さが気になります

SUBLUE

SUBLUEは2013年に設立した中国の水中機器メーカーで、190以上の特許と複数の国際賞を受賞する、現在は水中スクーターのイノベーターとしても注目されている企業です。

WhiteShark MixPro

underwater scooter sublue whiteshark mixpro
Photo by SEKIDO

世界最小サイズのダブルプロペラ搭載の水中スクーター。
片手で持ち運べる 3.5kgの超軽量設計ながら最高 6.48km/hを実現。
グリップをギュッと握るだけで、誰でも手軽にトップスイマーのような泳ぎが体験できます!

  • サイズ (W×D×H) 465×230×230mm
  • 重量 3550g(バッテリー、フローターを含む)
  • 速度(2段階調整)6.48km/h/4.32km/h
  • 最大深度 40m
  • 最大利用時間 約60分間
  • 連続使用時間 高速モード 約20分間 / 低速モード約30分間
  • 充電時間 約2時間
  • オプションマウント 1/4インチネジ
  • アクセサリ(同梱セット品) 急速充電器/フローター/紛失防止ハーネス/防水携帯電話ホルダー(+ホルダー紛失防止ストラップ)/バッテリー

WhiteShark Navbow⁺

underwater scooter sublue whiteshark navbow
Photo by SEKIDO

世界最速級の水中スクーターで、シュノーケリングやダイビングに最適です。キャビンサイズのキャリングケースにより、飛行機に搭乗でき、自宅で簡単に保管できます。機体に搭載されているGoProマウントでスマートフォンケースで、思い出を記録して下さい。

  • サイズ 486 mm × 327 mm × 177 mm
  • 重量 4,500g
  • 速度(3段階調整) 約3.6km/h/約5.4mk/h/約7.2km/h
  • 最大深度 40m
  • 最大利用時間 約60分間
  • 連続使用時間 FREEモード 約45分 / SPORTモード 約20分 / TURBOモード 約8分
  • 充電時間 約3.5時間
  • オプションマウント Goproマウント、1/4カメラマウント、Dリング
  • アクセサリ(同梱セット品) 充電マウント/充電アダプター&電源ケーブル/紛失防止ケーブル/ホルダー&カウンターウェイト/リーシュコード/バッテリー/専用 キャリーケース

従来の水中スクーターから小型化・軽量化が進み、デザインも可愛らしく、小さな子供でも容易に扱えるという手軽さも兼ね備えていて、革新的な進化をしたといっても過言ではないモデルでしょう。
使用時間が短いのが少々気になりますが、予備バッテリーを準備しておけば問題ないでしょう。

WAYDOO

WAYDOOは、電動フォイルボードなどの先進的ウォータースポーツハードウェアを企画・製造するメーカーで、今までにない全く新しいアプローチを感じる製品を提供しています。

subnado

underwater scooter waydoo subnado
Photo by SEKIDO

水中スクーターの中でも非常に軽量でコンパクトな設計です。
強固なアルニウムボディの中にはクラス最高峰の出力モーターやバッテリーを搭載し、完全防水された電子部分とシャフト駆動のプロペラは、圧倒的なメンテナンス性を実現。
様々なオプションパーツと組み合わせ、多彩な水中アクティビティを楽しめます。

特筆すべきは

パワフルなスラスター

高効率なジェット推進システムと最大推力6.5kg 500Wモーターを搭載したシングルモーター。
最大1.4m/sを実現し最大深度60mで操作可能なsubnadoは、性能に関しての妥協はありません。

水中スクーターsubnadoの推進力でプールから水柱が上がっている
Photo by SEKIDO
水中スクーターsubnadoを右腕に着けて潜るダイバー
Photo by SEKIDO

様々な使い方に対応

腕や足、タンクに搭載する事で両手が自由になり、より快適な水中移動を可能にしています。
伸縮性のあるケーブルを使ったサムコントローラーは、小型なのでカメラや機材の操作を妨げません。

安全性に配慮

異物や指が巻き込まれないようにピッチの違う2種類のガードが付属し、誤って指をけがすることが防げます。
大人だけではなく、お子様にも安心してお使いいただける製品です。

水中スクーターsubnadoで遊ぶ女の子
Photo by SEKIDO
水中スクーターsubnadoがスマートフォンの予備バッテリーにも利用できている画像
Photo by SEKIDO

優れたバッテリー性能

subnado には、最大60分の駆動可能な 98Whのリチウムイオンバッテリーが搭載されています。モバイルバッテリーとして他の機器への充電も可能です。充電時間は100Wの充電器で1.2時間です。

多彩なアタッチメント

subnado のクイックリリースシステムは汎用性が高く、アタッチメントを使って腕や脚、 サーフボード、酸素タンクなどに取り付けることができます。その他にもアイディア次第で様々な機器への取り付けが可能です。

水中スクーターsubnadoの多彩な利用例画像
Photo by SEKIDO
水中スクーターsubnadoをペットボトルと同じように携帯して持ち運んでいる
Photo by SEKIDO

軽量で高い携帯性

subnado は重さ1.4kg、長さ38cm、幅7cmと非常にコンパクトな水中スクーターです。98Whのバッテリーは内蔵型で、飛行機への持ち込みも可能なサイズです。
※手荷物として携帯する必要があります

優れた拡張性

オプションとして1/4インチカメラネジが3箇所設置された取り付けリングが付属しています。必要に応じて本体に取り付けることで、サードパーティ製のカメラやライトなどを自由に取り付けて、水中で使用することが可能です。

水中スクーターsubnadoにアクションカメラとライト2灯を取り付けてた画像
Photo by SEKIDO

本体スペック

  • 重量: 1.4kg
  • 最大推力: 6.5kg
  • 最大速度: 1.4m/s
  • 最大駆動時間: 56分
  • 充電温度: 0°C~40°C
  • 防水性能: IP68
  • 最大深度: 60m
  • サイズ: 377mm × φ60mm
    (プロペラカバーはφ70mm)

充電スペック

  • 充電時間: 1.2時間
  • 最大充電入力: 100W
  • 充電ポート: USB-C
  • 充電電圧: 5V~20V
  • 充電温度: 0°C~40°C
  • 最大出力電圧: 100W

小型化・軽量化だけでなく、スラスターパワー、多彩なアタッチメント、収納まで全てが進化しています。価格も抑えられています。個人的にはイチオシです。
しかし、バッテリーが内臓タイプなので、「交換してまたすぐに使うという事ができない」「充電が100Wのみという事で、海外に持って行っても変圧器がないと充電できない」というこの2点は残念ながらマイナスと言わざるを得ません。

水中スクーターまとめ

メーカー・機種別に水中スクーターを比べてみました。
どれも一長一短あるかと思います。

日本国内でスキューバダイビングで、大きさ・重さを考えると車移動なら YAMAHA RDS250/RDS300、飛行機移動なら SUBLUE WhiteSharkシリーズ、WAYDOO subnadoがオススメです。

海外に持っていく事もお考えなら、大きさ・重さ・充電などを考えると、SUBLUE WhiteSharkシリーズがオススメです。
充電の問題をクリアできれば、subnadoは海外にも持っていきやすいですね。

また手軽にプールや海水浴で使うのなら、選択肢は SUBLUE WhiteSharkシリーズ、WAYDOO subnadoになるでしょう。

ただし、どの機種も海で遊んだ後は 塩噛みを防ぐために、真水で洗い流したり プロペラ部分を分解掃除・グリスアップをしなければいけません。
この手間をかければ、性能を長く保つ事ができるでしょう。

この夏、水中スクーターで「水」の世界の楽しみ方を大きく広げてみませんか?